ファミコンの大ヒット以来、人気に伴って様々な問題も生じ、その幾つかは裁判沙汰にまで発展しました。今回はそんな事件の概要をいくつか紹介したいと思います。
クイックジャンプ:
スペース・インベーダー・パートⅡ事件/
「スペースインベーダー」コピー事件/
パックマン事件/
「ストラテジーX」コピー事件/
「ディグダグ」コピー事件/
「ポールポジション」コピー事件/
「ドンキーコングジュニア」事件
スペース・インベーダー・パートⅡ事件
―スペースインベーダー・パートⅡ事件は、ゲーム著作権のはじまりに位置する事件です。(スペースインベーダーは1978年にタイトーが発売したゲームで、当時は社会現象になり現在でもイベントの行われる人気作品です。)
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タイトーvsアイ・エヌ・エンタープライゼズ:
TVゲームのプログラムを著作物として、著作権侵害を認定した。
▼スペースインベーダーの発売当時、“プログラムの著作物の保護”は著作権法に明記されていませんでした。当然のように、違法コピーもオリジナルにあわせ大流行したのです。無断複製アーケードゲームの問題が起こるのに時間は掛かりませんでした。1982年、発売元である株式会社タイトーが原告となり違法コピーを行っていた株式会社アイ・エヌ・エンタープライゼズを訴えたのです。タイトーは損害賠償を求めたのでした。
▼結果、東京地裁はコンピュータプログラムを「著作権法上保護される著作物に当たると認められる」との判断を下し、
スペースインベーダーパートⅡはプログラムを記録したものである。プログラムは著作物に当たる。したがって、I社の無断複製は違法である。また、I社には故意または過失がある。よって、I社はT社に損害賠償として金銭を支払うように。
としました。この訴訟は「ゲームの法的手続きの最初の一歩」だったとされゲーム史において重要な役割を果たしています。
■関連リンク■
スペース・インベーダー・パートⅡ事件判決
http://www.isc.meiji.ac.jp/~sumwel_h/doc/juris/tdcj-s57-12-6.htm
「スペースインベーダー」コピー事件
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タイトー対ウコー:
TVゲームの映像変化に基づき商品混同の不正競争行為を認定した。
~おまけ~
スペースインベーダーの発売当時、その大ヒットと共に世間にはライセンスをとっていない亜流ゲームがあふれた。(当時日本でコピーを出さなかったのは、ギャラクシアンを開発中のナムコだけだったと言われている)
パックマン事件
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ナムコvs酔心:
TVゲームの視聴覚効果を著作物として、上映権侵害を認めた。
―1983年にファミリーコンピュータが発売され、ナムコの発売した「パックマン」にまつわる事件が起こりました。
▼都内の喫茶店「マイアミ」を経営する企業が、パックマンの違法複製物を「違法に上映している」として、ナムコが損害賠償を請求したもの。ナムコはゲームの上映権を主張したのです。
▼結果、東京地裁は「パックマンの映像は映画の効果に類似する視覚的効果を生じさせる方法で表現されている」としてナムコ側の主張を認めました。
…最近のFFとかのムービーでもなく、黄色いキャラがパクパクしつつ画面上を動くだけなの、「上映権」ねぇ…とか思ったりする訳ですが。まぁ「ゲームは一種の芸術だ」って事っすかねぇ。。。
「ストラテジーX」コピー事件
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コナミ工業対ダイワ:これも「スペースインベーダーパートⅡ」コピー事件と同じく、「
TVゲームのプログラムを著作物として、著作権侵害を認定した」事件。
「ディグダグ」コピー事件
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ナムコ対TIM:TVゲームの視聴覚効果を著作物とした点はパックマン事件と同じだが、認められたのは『
著作権侵害』。
「ポールポジション」コピー事件
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ナムコ対アロー電機:
TVゲームの視聴覚効果を著作物として、著作権侵害を認めた。
「ドンキーコングジュニア」事件
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ファルコン等被告:ドンキーコングジュニアといえば、あの任天堂の超有名ひげ親父がラスボスをしたという有名作。裁判所は
TVゲームの視聴覚著作権侵害を認定し、『有罪』としました。。
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